このコンサートは、バーンスタインの最後のコンサート、という触れ込みになっているが、1990年に札幌のPMFを振ったときのコンサートであって、本当のラストコンサートではない。本当はこのあとボストンのタングルウッド音楽祭でボストンフィルを振ったときが最後であった。

 20世紀で世界に大きな影響を与えた指揮者は、という問いに答えるのは難しいが、演奏そのものを度外視すればやはりカラヤンとバーンスタイン、それとフルトヴェングラーになるであろう。

 カラヤンとバーンスタインは同時代を生きながら全く対極にある人間であり、演奏そのものをとってみればどちらも必ずしも一流とは言えなかった。バーンスタインはマーラーなど当たりもあるが外れも多い。カラヤンは音は確かに素晴らしいが内容がない。しかしクラシックを一般大衆に身近なものにしただけでなく、多くの知識人にも影響を与えた点で現代文化に対する功績は大きい。フルトヴェングラーはそれに加えて演奏が素晴らしく、まさに別格であった。

 私にとって見れば、バーンスタインは今の道に進むきっかけを与えてくれた人物であった。彼が言った"obsession"という言葉が、私の背中を押してくれた。その意味で彼は私の心の支えでもある。おそらく私のような人が世界中にいるのだろう。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索