ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 (2)
2005年6月27日
ベートーヴェンが「英雄」を作曲した当時のトランペットは、自然倍音列という限られた音程しか出せないものであった。
もしリコーダーが家にあれば試してもらえればいいが、弱く息を吹き込んだときと強く息を吹き込んだ時は音程が違うことが分かるだろう。これがオーバーブローというテクニックで、吹き込む息の量を変えることで音程がある程度調整できる(これが倍音列に従うのである)奏法であって、現在でも使われることがある。
当時のトランペットはバルブが付いていない、要するにただの管であったので、オーバーブローしか音程の調整ができなかった。だから自然倍音列しか出せないのである。
第一楽章の最後、トランペットが主題を高らかに奏でるのだが、限られた音程しか出せないと言う制限のために、トランペットが主題のメロディーの途中までしか演奏できず(図の赤い部分)、途中で木管楽器(図ではオーボエ)にバトンタッチしてしまう。このため第一楽章のクライマックスで何とメロディーが聞こえなくなってしまうという事態が起こってしまう。
これが有名な「主題の喪失」である。現在のトランペットでは演奏可能であるから、現在の演奏ではメロディーを引き続きトランペットに吹かせるのが一般的である。
…と言うことになっているだが…(つづく)。
もしリコーダーが家にあれば試してもらえればいいが、弱く息を吹き込んだときと強く息を吹き込んだ時は音程が違うことが分かるだろう。これがオーバーブローというテクニックで、吹き込む息の量を変えることで音程がある程度調整できる(これが倍音列に従うのである)奏法であって、現在でも使われることがある。
当時のトランペットはバルブが付いていない、要するにただの管であったので、オーバーブローしか音程の調整ができなかった。だから自然倍音列しか出せないのである。
第一楽章の最後、トランペットが主題を高らかに奏でるのだが、限られた音程しか出せないと言う制限のために、トランペットが主題のメロディーの途中までしか演奏できず(図の赤い部分)、途中で木管楽器(図ではオーボエ)にバトンタッチしてしまう。このため第一楽章のクライマックスで何とメロディーが聞こえなくなってしまうという事態が起こってしまう。
これが有名な「主題の喪失」である。現在のトランペットでは演奏可能であるから、現在の演奏ではメロディーを引き続きトランペットに吹かせるのが一般的である。
…と言うことになっているだが…(つづく)。
コメント