臨床講義開始

2005年9月1日
 まだ進級発表がないので見切り発車です。もし進級できてなかったらアホみたいですが。

 どの先生も半年後のCBT/OSCEの心配をされてました。わが校よ大丈夫か。

※CBT/OSCE
 臨床実習(通称ポリクリ。BSL[Bed Side Learning]ともいう)にふさわしい知識・手技が身に付いているかどうかを4年次の最後に見る試験。全国の医学部で一斉に行う。これに合格しないと臨床実習が受けられない。コンピュータテストであるCBTと医療面接や診察手技を見るOSCEとに分かれる。私の学年から本格実施。

 学長と病院長の訓示(?)、カリキュラムの説明のあとスタート。

 以下ある先生のお話と私の推測。

 最近医学部のカリキュラムは大きく変わっていますが、それは約15年ほど前の英国からの調査団が来日したことに由来するそうです。英国はその少し前から日本の医学生を本格的に受け容れはじめたらしいのですが、日本の医学生があまりにも何も出来ないので、調査団を作って日本の医学部の教育の実態を調査したのです。その結果

「英国としては、日本の医学生の受け入れを今後一切拒否する」

という方針が伝えられました。

 自ら変わろうとせず、外圧がなければ変わらない、というのは何も医学部に限った話ではないわけで、この国が構造的に持っている問題なんだな、と改めて感じました。

 CBT/OSCEの登場もまた日本的です。

 そういった改革の一環として、まず厚生労働省が医師国家試験の内容を改めました。医学部の教育は文部科学省の管轄ですから手は出せませんが、国家試験は厚労省の管轄なので、これをいじれば医学部教育も変えざるを得ない(実際そうでした)という判断をしたのです。
 これに怒ったのが文科省です。「お前ら何もしてないじゃないか」と言われた気がしたのでしょうか、それなら臨床実習前なら文句はなかろう、ということでモデルカリキュラムとCBT/OSCEを作っちゃった。それで「こんなの作ってやったからあとは君たちが頑張れ」と医学部に具体的な改革を丸投げしてしまった。おかげで各校は今大変なことになってます。

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最後に今日の名言

「腫瘍がなくなっても、患者もなくなったら意味ないですよね」

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