憂い

2005年9月17日コメント (1)
 臨床の授業も進んでいますが、自分としては選挙の結果のショックが大きすぎて、未だに引きずり続けています。

 今の自民党・公明党と民主党という二つの勢力が対立する政治構造においては、「バランス感覚」は絶対に必要だと思います。一方の政党に勝たせすぎては絶対にいけないのです。私は決して反自民でもないし、民主ファンでもありません(労組とのつながりや元々複数の党の寄せ集めのため、今回の郵政民営化のように主張がしばしばずれていってしまう点で、むしろ民主党は嫌いな政党であると言ってもいいと思います)が、今回は自民に勝たせすぎないような投票をしたつもりです。

 逆に民主党がもし圧勝しそうなら、私は自民党に入れるでしょう。その場の雰囲気に流されず、何が重要かを考えて戦略的に投票する。それが自分の一貫した態度です。事実自民党に投票したこともあります。

 今の状態では民主党は必ず弱体化していきます。200前後の議席を確保していれば、自民党は内部や公明党の造反があれば勢力がひっくり返ってしまうから、緊張感のある政治運営を迫られます。官僚や財界も民主党を無視できなくなります。ところが100そこそこの議席では少々の事があってもひっくり返りません。民主党のこの国に対する影響力は弱まっていくでしょう。

 野党が弱くなれば、国民の多様な意見を吸い上げてもらう場が事実上与党だけになってしまいます。国民の政治に対する関心も無くなっていくでしょう。

 多様な意見が出ると言うことは、成熟した民主国家には必要なことだし、むしろ多様な意見をどうまとめていくかが政治の醍醐味であると思うのですが、自分の思い入れだけでそれほど大切にも見えない郵政民営化を最重要課題にし、自分に反対するものは党から追い出すばかりか刺客まで送って徹底的につぶしにかかる。自分と異なるものには耳を貸さず「抵抗勢力」というレッテルを勝手につけて自分はそれと戦っているんだと言って見せて同情を誘う。俳優としては一流かも知れませんが、政治家としてはどうなのでしょう。

 その時はカタルシスがあって見ていて気持ちのいいものかも知れないけれど、あれだけ反対反対と叫んでいた参議院の議員たちが次々と郵政民営化に賛成を表明していく様を見ていくと、みんな本当にこれでいいと思っているのかな、それとも何も考えていないのか…と思ってしまいます。子は親を見て育ちます。多様な意見を受け容れようとしない今のこの国の政治は、きっと私たちの心そのものにも悪い影響を与えていくような気がします。

コメント

羽生遊
羽生遊
2006年1月11日9:14

ご無沙汰です。最近はお忙しいようですね。次回のブログ、楽しみにしていますね。

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