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ひさびさに
2006年1月28日毎日新聞より、抜粋
研究経験のある者から言えば、信じられない話です。研究ノートは研究者にとって命の次に大事なものです。研究者が頭をひねってアイデアを出し、苦労して実験を重ね、望む結果が出れば喜び、結果が出なければ落ち込み、悩みながらも明日を信じる、そういった研究の醍醐味がすべてつまったものが研究ノートです。
私のいたところでは、一日の最後にその日の実験とデータをまとめて署名をし、教授か助教授に見せて(いなければ翌朝になります)サインをもらう決まりでした。当然その時に実験データについての検証と議論が行われます。次の日の実験の準備や実験の失敗のために、何も結果が出なくても持っていく決まりでした。勿論ノートを勝手に捨てることは許されず、不要になったノートはテーマ別に分類して研究室に保管される決まりでした。
この事件でふと思い立って私の仕事を引き継いでくれている後輩に連絡をとりました。もう研究を離れて10年近くなりますが、私のノートはまだ残っていて、参考にすることがあるそうです。
東京大大学院工学系研究科の多比良(たいら)和誠(かずなり)教授らが発表したRNA(リボ核酸)に関する論文について、同研究科は27日、「再現性はない」と事実上の不正認定を下した。多比良教授らは「結論を出すのが早すぎる」と反論するが、「世界最先端」の成果を生んだ研究活動の実態は、実験記録がないなどずさんなものだった。
「私は実験はよく分からない。川崎君に任せていたから」。不正疑惑が公になった昨年9月、多比良教授は毎日新聞の取材に対し、実験は助手任せだったと繰り返した。
川崎広明助手は95年、筑波大の博士課程の学生として多比良教授に師事して以来、二人三脚で論文を量産してきた。「理論通りの実験データを出す神の手を持つ男」だと多比良教授はRNAに関する実験は川崎助手に任せきりだったが、今回の調査で、実験ノートが存在していないことも判明した。川崎助手は「パソコンにメモ程度を残しているが、ノートが実験の正しさを証明するのに必要なものだとは思わなかった」と説明した。
研究経験のある者から言えば、信じられない話です。研究ノートは研究者にとって命の次に大事なものです。研究者が頭をひねってアイデアを出し、苦労して実験を重ね、望む結果が出れば喜び、結果が出なければ落ち込み、悩みながらも明日を信じる、そういった研究の醍醐味がすべてつまったものが研究ノートです。
私のいたところでは、一日の最後にその日の実験とデータをまとめて署名をし、教授か助教授に見せて(いなければ翌朝になります)サインをもらう決まりでした。当然その時に実験データについての検証と議論が行われます。次の日の実験の準備や実験の失敗のために、何も結果が出なくても持っていく決まりでした。勿論ノートを勝手に捨てることは許されず、不要になったノートはテーマ別に分類して研究室に保管される決まりでした。
この事件でふと思い立って私の仕事を引き継いでくれている後輩に連絡をとりました。もう研究を離れて10年近くなりますが、私のノートはまだ残っていて、参考にすることがあるそうです。
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